漆のお椀

商売柄ガラス器は売るほどある。実は陶器もけっこうある。平均的にガラス器より安いしついつい買ってしまうからね。

ところが漆器となると手を出しにくい。「失敗作だよ~」なんて言ってタダでくれる友達もいない。

それでもみそ汁は絶対漆のお椀でいただきたい。我が家のお椀はそれほど高価な品ではないけれど、大きさ形重さ口当たりを自分の体が覚えてる感じ。買い替えるとなじむまでにかなりの時間を要する。

20年くらい前に手に入れてから夫婦色違いで使い続けてきたお椀。10年くらい前、私のに味噌汁を注ぐとチチチと音がするようになってしまったのです。

大子町(漆の産地)のイベントで出会った専門家に相談したところ、月一回の教室を教えられ、それから半年かけて自分で修理した。木地本体のひびは漆をはがさないと解らないのだそうな。漆の仕事にも触れられたしメデタシメデタシ。

今年になって相方のお椀からも音がするように。困ったねえと言いつつも音を聞きながら毎朝味噌汁を飲んでいた。漆器売り場を通るといくつか手に取ってみたりしていたけれど、やっぱり同じのが欲しいのですよ。

そんなある日東京のこじゃれたセレクトショップで全く同じものを発見。手に取ればしっくり。

悔しいけれどガラスにはここまで繊細な個体差はないように思う。

Naomi Shioya's WORKS

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