1000という数
フランス語でMille feuillesは1000枚の葉=ミルフィーユは薄いパイ生地を重ねたケーキ。さすがに1000枚は無理でしょう。数量の1000よりも「たくさん」という意味合いらしい。そういえば千枚漬けもいくら大きなカブだって1000枚には切れないよ。
千枚田だって、と思って確認したら海に面した斜面に1004枚の小さな田んぼがあるのだそうな。いやいや恐れ入りました。
少し前に「たくさんの孤独」という作品を作った。いや、作り始めた。はじめは30個ほどの小さなガラスの椅子をバラバラと並べて「大勢でいたって孤独は孤独なんだぜ」みたいなちょっとネガティブな発想だった。
50個並べたらちょっと楽しくなってきた。ガラスの椅子はほぼ同じ大きさに一つずつ型を作って全ての形が少しずつ違うようにした。マルセイユでの個展に出したいから51個目からは紙で作りはじめた。ハリボテね。軽い!航空便で送ってもこれならけっこういけそうだ。
だったら1000個の椅子を並べたほうが「たくさんの孤独 Mille Solitude」で説得力があるな。100じゃ少ないし10000はとんでもない。それでも1000もあるよ、けっこう。500を超えたあたりで飽きてきた。これはまずい。制作中に飽きるのは絶対にまずい。いい作品になる確信が持てないからなんだ、たぶん。しかもこの作品200個で1回、300個で1回、発表してしまっている。500個くらいじゃ「またこれ?」となりかねない。
うん、やっぱり作ろう、1000の孤独。
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