10年カレンダー

以前島根の石見銀山生活文化研究所の社長室で100年カレンダーというのを見せてもらったことがある。「僕の葬式はこのあたりかな」と指さす社長さん。

ちょっとスケール小さいけれど私が作ったのは10年カレンダー。

2015年の暮れだったと思う。相方がガラスの仕事を辞めたいと言いだした。その前からそれらしいことは言っていたけれど聞こえないふりをしていた私。いよいよ話し合わなくちゃならなくなり、私の出した提案は「10年以内になんとかしましょう」

で、10年カレンダーを作って工房のドアに貼ったというわけ。

生涯現役と決めていたわけでもないけれど、ガラスを辞めたいと思ったことのない私。だから10年は、この先自分がやりたい事を続けるためにはどんな準備が必要なのかを考えて実行する期間だった。

人生は計画通りには進まない。時には軌道修正が必要になる。もっと一緒にいると思っていた犬のコタローが死んでしまったこと、今の家を譲り受けたいという若い夫婦が現れたことで、予定より数年早まってしまった。

まだカレンダーは2行と少し残っているけれど、昨日はがした。

あと数日で引っ越し。次の10年はどんなだろう。


Naomi Shioya's WORKS

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