子どもの工作
「塩谷直美 1966年作 ガラス瓶・新聞紙・水彩絵の具 たちばな幼稚園にて制作」
これが現存する最古の作品だ。以前実家を取り壊すときに救出してきたペン立ては、小中高と机の上で愛用されていた。
幼稚園時代の工作なんだけど、自分の創作の原点な気がするんだよなあ。よくそんなこと覚えてるなって、相方にはあきれられるけど。
もも組の先生は若くてすごくかわいい人だった。
まず新聞紙を6人くらいのチームになった子供たちでちぎる競争をした。テーブルの上にちぎった新聞紙の山。それをポリバケツに入れてのりと水を入れて混ぜる。一週間くらいかな、毎日先生が腕まくりをして手で混ぜる。ねずみ色のドロドロしたもの。冷た~いって言ってたから冬だったんだろう。普段やさしくて可愛らしい人だったのに、妙にたくましくかっこよく見えた。
自分でちぎった新聞紙が家から持参したジャムの瓶にはりついて別の形になっていく事にも感動した。柄のセンスはどうなのってレベルだけれど、確かにあの時私の心がワクワクと動いていた。だから今でもこのペン立てを見ると、目を丸くして「お~すげ~」となった5歳児の感覚がよみがえる。
以前シカゴのSOFAというアートイベントに行ったとき、ギャラリーオーナーが私の作品について子供の感性でできてるとお客さんに説明していた。まあ、この紙粘土から成長がないということかも。そのあたりはほめ言葉とうけとめて、このままやっていこうと思う。
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