春の庭
太郎さま こちらの庭は 花盛り
春が来るたび思い出す句。本当は大学時代の先生に宛てた手紙の書き出し文「宮下先生、こちらの庭は花盛りです」
俳句をされていた宮下太郎先生が「こうすれば俳句になります」とお返事をくれた。
先生の「自然文化史」の授業は適当に話を聞いているだけで単位がとれたから1年生のほとんどが履修していたと思う。先生はフワッと穏やかな普通の人だった。
亡くなるまで私との交流が続いたことはあまり知られていない(大げさな!)
この句をきっかけに先生とは連句という往復書簡をしばらく続けていたから。
ああでもね、つくづく私に俳句は向かないと思ったのですよ。先生は容赦なく添削するからもはや私の作った原形は無くなっている句がい多かったし。気持ちより季語とか文字数の制約が優先されるところも納得がいかなかった。お手紙のやりとりは楽しかったけど。
昨日、20代の男性が主催する「歌集を読む会」に参加した。彼が持参した短歌集をそれぞれが読んで気に入った歌についてちょっと話す。なかなかいい時間だった。
毎日使っている日本語だけれど、ちょっと頭を使って心にひっかかったことを文字という形で表現する。流れを大事にして。
うん、楽しい。私には俳句より短歌だな。宮下先生、ごめんなさい。
0コメント