スパイスの話

高校生の時、美大受験の予備校の先輩からカレースパイスのセットを買って作ったカレーがすごく美味しかったという話を聞いた。得意げに話す表情まで覚えている。

その後晴れて大学生になってからそのスパイスセットを買ってきた。見た目はともかく作ったカレーを兄がとても褒めてくれたんだった。カレー粉というのはミックススパイスなのだとそれまで知らなかった。まだまだ料理に興味が湧く前の話。

卒業してから仲良くなった友達の母上が本場インド料理が得意な方で、カレーのレシピをいただいたりスパイスの話を聞いたり・・・1980年代の後半にはエスニック料理という分野が確立して普通のスーパーで色々なスパイスが売られるようになった、と思う。

私が好きなスパイスは、ローズマリー・タイム・クミン・コリアンダー・マスタードシードなどなど。フランスで覚えたスパイスも多い。マルセイユではハーブデプロヴァンス(プロヴァンスのハーブ)が定番だったけど、日本食を作りたいというフランス人の友達がハーブデジャポン(日本のハーブ)が手に入らなくて作れないと相談してきた。レシピ本を見せてもらうとどうやら七味唐辛子のこと。ほとんどの和食には必要ないと教えたけれど、ハーブありきのフランス人にはその感覚が伝わらない。むしろ鰹節や昆布が必要なんだけどな。

Naomi Shioya's WORKS

ようこそ ガラス作家・塩谷直美の 公式サイトへ